2023.07.28

つねづね草 ~元校長のひとり言~

 夏休みになりました。連日の暑さで、身も心もぐったりという方も多いのではないかと思います。夏の予定もいろいろ計画してみても、どこへ行っても暑いのだろうと思考停止してしまいます。今年は旅行も計画しました。友だちの住む地方の花火大会に誘われましたので見に行くことにしています。友だちに待望の初孫が生まれて会いに行くというので一緒に連れて行ってもらうことにしました。いくつかの楽しみなことをちりばめながら、熱くて長い夏を乗り越えたいと思います。しなければならない雑用も、行かなければならない所も、段取りを考えたり、用意したり面倒な気もしますが、やり終えればそれなりに充実感や達成感を得られるでしょうし、できた自分を誉められる気もします。ご家族と過ごす夏休み、楽しみなこと、できたこと、トライしたこと、自分も家族もお互いに褒め合える時間が過ごせると良いなと思います。

 7月22日(土)には旭出学園の「なつまつり」が行われました。今回は卒業生にも声かけをしましたが、50名近くの参加希望を頂きました。保護者の会や各部の職員が模擬店を出しました。アイス屋さん、飲み物屋さん、ヨーヨー釣り、的当て屋さんなど、景品もいろいろで、各部趣向を凝らしていました。卒業生の何名かの方々ともお話ができ近況が聞けたり学校の近況を伝えたりして、私もうれしかったです。暑い中でしたが在校生も卒業生もみんなでお祭り気分を楽しんでくれました。

 さて今回は、中学部・高等部の「夏合宿」についてのお話です。今年は3年振りに8月中旬に高等部が、下旬には中学部が軽井沢での2泊3日の夏合宿を行います。施設は練馬区の「ベルデ軽井沢」を使わせていただきます。夏合宿の変遷については以前記載したことがありましたが、中高6年間同じ所に行くのはどうか、色々な場所や施設での体験を計画した方がよいのではないか、など保護者のご意見も含めて度々検討されてきました。6年間同じ時期に同じ場所で過ごすことの意味は実はとても大きいです。体験の積み上げが何より身に付きやすいですし、知っていることには前向きに取り組む生徒が多いです。安心感、自主性、リーダーシップ、見通しを持って活動に参加できることは、主体的に行動できることですし、積み上げた力を発揮することで更に自信を持つことができるようになる姿をこれまでもたくさん見せてもらいました。いろんな場所に行ってみたい、体験したいという経験は旅行会や体験会に譲りたいです。合宿は衣食住の生活を学校ではない場所で仲間と共にすることの意味においては同じ場所、見聞きした活動に自分から参加して楽しむことが重視されてよいと思います。こうした経験が旅行会でも活かされることになると思いますが、友だちの経験を見たり聞いたりしてやってみようとチャレンジするようになることはよく見られます。同じようで毎年その子なりの成長が見られるのもうれしいものです。ですから今年は職員も生徒もかなり大変だろうなと想像します。生徒は誰一人として夏合宿の経験が無く、教職員も初めての方が多いでしょうし、3年振りともなればいろいろ忘れていることも多いはずです。0からの再出発に近いかもしれません。生徒も職員も色々緊張しながら、疲れて帰宅することになるかもしれません。それでもその経験は次に生きることですから、がんばってきてね、とエールを贈りたいです。楽しい話、3つ以上は聞けると思いますから。

どきどきのみんな初めて合宿はまた行きたいにきっとなるはず

<追記>牧野記念庭園行ってきました。見違えるように整備されていました。お庭にはスエコザサは勿論ですが、ヒメアジサイやウメ(緑がく梅)も直ぐに見つけることができましたし、講習室ではビデオ展示も観られます。常設展示室、企画展示室にも牧野博士の直筆植物画や植物図鑑の初期のもの、あの朝ドラの主題歌「愛の花」のバックに映し出される草花の直筆画も程よく展示されていました。線画の素晴らしさ、色がつく立体感、見応えありです。圧倒されたのは本で埋め尽くされた書斎室が再現されていることです。本に囲まれ、この部屋で小さな机に向かい、90才を過ぎても原稿を書いたり、全国から寄せられる手紙での質問に返事を書いていたそうです。「本を読んで安心するのではなく、間違っていたら正せる友達のように本とつきあうべし」という博士の言葉もありました。一方的に受け取って信じて疑わないだけでは進展はないのだと教えられます。友となってこそお互いに高め合える存在になるのでしょう。植物を愛し愛された研究者の言葉は深いです。